蛇縄麻 2006 3 1

 仏教には、「蛇縄麻」という教えがあります(下記を参照)。
道に落ちている縄が、
恐怖心に捕らわれた人には、「大きな蛇」に見え、
平静な人には、「ただの縄」に見え、
知恵がある人には、「麻で編まれた縄」に見えるのです。
 下記の記事を書いた時は、
ちょうど、FRBの金利引き上げが始まるのではないかという「懸念」に、
アメリカ株式市場が、おびえ、神経質になっていたのです。
金利引き上げが始まると、株式投資は、ダメだと、余計な心配をしていたのです。
つまり、金利引き上げが、「蛇」に見えていたのです。
 しかし、結果は、どうなったかというと、
金利が連続して引き上げられても、アメリカ株式市場は、堅調だったのです。
 最近、日本の株式市場でも、同じような現象が起きています。
「量的金融緩和政策の解除」ということが、「大きな蛇」に見えているでしょう。

たとえ話 allegorical story 2004 5 21
 仏教には、「蛇縄麻」という教えがあります。
大昔は、街灯がなかったので、
日が暮れる頃には、真っ暗となります。
 こうした夜道を、一人で歩いていると、
普通の人は、心細くなります。
 ある人が、夜道を、一人で歩いていると、
道に、何かがあると気づいて、不安げに見てみると、大きな蛇だった。
その人は恐怖に捕らわれて、逃げ出すように走り出した。
 さて、次の人が、同じ道を歩いていると、
道に、何かがあると気づいて、よく見てみると、太くて長い縄だった。
どうして、こんなところに、縄が落ちているのだろうかと思った。
 さらに次の人が、同じ道を歩いていると、
道に、何かがあると気づいて、よく見てみると、麻で編まれた縄だった。
この縄は、麻で作られていると分析した。
 「蛇縄麻」とは、「蛇」と「縄」と「麻」のことです。
客観的に見れば、「縄」という物体があるだけです。
 しかし、恐怖に捕らわれた人には、「蛇」に見え、
平静心がある人には、「縄」に見え、
知恵がある人には、「麻」で編まれた縄に見えるのです。
 この話を聞いて、
「縄を、蛇と勘違いするなんて、愚かなことだ」と思うでしょう。
 しかし、誰でも、同じようなことをやっているのです。
たとえば、最近(2004年5月21日当時)、よく話題になる「金利上昇懸念」があります。
 米国株式市場には、
「金利上昇」という言葉を聞いただけで、おびえてしまう人がいます。
次に、「金利上昇」という言葉を、冷静に受け止める人がいます。
さらに次に、過去の「金利上昇のパターン」を調べ、
今回の金利上昇を予測し、
それほど、金利上昇は心配することではないと判断する人がいます。
 何が言いたいのかというと、
いたずらに、恐怖心に捕らわれてはいけないということです。
 恐怖心を感じるならば、その恐怖を分析することです。
そうすることで、恐怖は、消えます。
このように、「恐怖心の克服」は大切なことです。

































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